研究課題/領域番号 |
17520272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
船山 仲他 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10199416)
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研究分担者 |
玉井 健 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20259641)
宮畑 一範 (宮畑 一憲) 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (20229876)
西村 友美 京都橘大学, 文学部, 教授 (90237735)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,740千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 同時通訳 / 発話理解 / 概念的複合体 / 言語学 |
研究概要 |
1.事前に原稿などを下見することのない生の同時通訳を採取し、原発話と訳出を文字化し、同一時間軸に沿って並列表記した同時通訳データを総計125分42秒作成した。当該データを分析すると、訳出が単なる辞書的対応の集積でないことが明らかとなった。担当通訳者の癖などの非本質的要因を除いた後の特徴的な現象は、3の項でまとめる表示装置を正当化する証拠となることがわかった。 2.人間の発話理解の中身をリアルタイムで明示化することはきわめて難しいが、同時通訳はその点で貴重な研究資料となることが示された。訳出された言語表現は通訳者の精神作用の全てを表示するものではないにしても、原発話のどの時点でどのような理解が成立しているかを観察可能な形で示してくれる。その結果、言語表現のレベルでは現れない概念的処理を推定させる現象を具体的に把握することができ、そのような情報の入手が本研究の特徴的な意義となった。 3.発話理解のオンライン表示装置としての概念的複合体(conceptual complex)と呼ばれる記述モデルの基本的性質をまとめた。概念的複合体は、発話理解のモデルとして有効であると共に、同時通訳モデルのベースとしても機能することを確認した。すなわち、この概念的複合体モデルは、同時通訳のプロセスにおいて通訳者がオンラインで構築する概念化の過程を表示する方法となる。概念化を構成する要素、および要素のグループは原発話の進行に伴って変化し続けると考えられるが、それを概念的複合体の変容として表すことができる。
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