研究課題
基盤研究(C)
本研究は、敏感期以降に英語を習得した日本人英語学習の、文生成と文処理の脳内メカニズムを、生成文法理論と脳機能イメージング研究が連携しながら、解明することを目的とした。H17度は、「第二言語獲得における論理的問題(logical problem of second language acquisition)」を、日本人英語学習者を被験者として実験を行った。一ヶ月間の教授(トレーニング)を受けた大人の日本人英語学習者群、教授をうけていない英語学習者群を被験者として、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を用いて脳機能の変化を調べ、第二言語獲得における論理的問題を世界で初めてfMRIを用いて示すことに成功した。H18年度は、H17年度の研究をさらに進展させ、教育効果の長期的効果の可能性を探るために、H17年度の実験に参加した教授群を対象として、教授から半年後の脳機能の変化を測定しすることで、教授の長期的保持効果の可能性を探った。最終年度にあたるH19年度は、本研究の成果を多くの学会で発表し、現在研究成果を論文化している。さらに、空目的語(null object)現象を用いての、第二言語獲得における文法中枢の活動のトレーニングに関連した上昇と、習熟度に依存した減少に関するfMRI実験の結果を、論文とてまとめ、現在査読をうけている。言語理論に関しては、日本人英語学習者が英語を用いるときにおかす誤りのひとつであるBE動詞の過剰生成と、冠詞の獲得に関して、論文をまとめた。3年間の研究成果は、現在編纂中の研究書にまとめる予定である。
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