研究課題/領域番号 |
17520293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 泰 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70091832)
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研究分担者 |
石井 久雄 同志社大学, 文学部, 教授 (70124188)
宮島 達夫 京都橘大学, 文学部, 名誉教授 (30099915)
安部 清哉 (安部 静哉) 学習院大学, 文学部, 教授 (80184216)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | KWIC / 今昔物語集 / 計量 / 『今昔物語集』 / 計量語彙論 / テンス・アスペクト / 複合語 / 岩波新大系 / 語彙 / 文法 |
研究概要 |
一人の編者の立場からの統一されている岩波書店『新日本古典文学大系』の本文をもちい、『今昔物語集』のKWIC (keyword in context文脈つき索引)を作成する過程で,KWIC作成時における漢字処理や単位認定かかわる原理的問題を考察した。 現行のおおくのKWICが仮名文であるのと異なり、漢字仮名混じり文である『今昔物語集』においてKWICを作成することは、KWICの作成の方途にあらたな知見を加えることとなった。具体的には返読文字の処理において、KWICのキーとしては、返読文字を前の要素に付ける必要があることとか、補読のニシテのスなどの動詞を本文に付け加える作業が必要になるなどのことである。 また、これまでの単位の読みのゆれを明らかにするために、『今昔物語集文節索引』(笠間書院)に基づいて作成された語彙表をもとにし、巻ごと、部ごとなどを比較して得られる特徴語彙のデータを意味領域の観点から整理した。その結果、文節索引の読みにおいては、和文語と漢文訓読語の文体的な対立に基づく読みの対立以上に、各巻の編者の恣意的な読みによって一つの単語がいくつもの無意味な読みのバリエーションをもつことが明らかになり、統一の必要が示された。 ただ、ヘミとクチナワのような両様の読みをもつ「蛇」のような単語もあるので、それらについては、KWICの見出しとしては、どちらか一方を立てて、もう一方の読みは空見出しとするのが適当であるという結論になった。その結果、見出しは語彙そのものではなく、意味分類を示すものに近づくことになるが、それは基本的に漢字文献である『今昔』においてはやむをえないことである。 KWICの利用という面においては、具体的な文脈や構文的環境が即座に明らかになるので、『今昔物語集』のKWICを利用して、テンス・アスペクトを表わす語形の意味的対立を助動詞だけでなくはだかのかたちをふくめて行うことができた。
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