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『平家正節』の譜記による近世京都アクセントの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 日本語学
研究機関早稲田大学

研究代表者

上野 和昭  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10168643)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,180千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード漢語アクセント / 複合名詞アクセント / 平曲譜本 / 平曲伝書 / 基本アクセント / アクセント変化 / アクセント史 / 日本語史 / アクセントの複合法則 / 曲節 / 平家正節 / 言語国訛 / 漢字声調 / 平曲古譜本 / 複合名詞のアクセント
研究概要

本研究は、『平家正節』の≪口説・白声≫二つの曲節を対象に、そこに施された譜記から、それが反映する近世中期あるいはそれよりもやや遡る時代の京都アクセントを解明しようとしたものである。そのうち、とくに漢語アクセントと和語からなる複合名詞アクセントについて、それらがきわめて伝統的なものであることが明らかになった。すなわち漢語アクセントは、とくにそれが呉音形である場合、それぞれの漢字声調から説明することができる。また複合名詞は、平安鎌倉時代のアクセント型、またはその規則的変化型であらわれるものが多いことが判明した。これらは平曲譜本という資料性によるところもあろうから、そのまま近世中期前後の京都アクセントの実態と考えることは危険かもしれない。しかし、『平家正節』の譜記からは、以下のような点を指摘できることも、確認されるべきである。
(1)2拍1字漢語の場合、漢音形・呉音形いずれも漢字声調に基づくアクセント型、またはそれから規則的に変化したアクセント型が近世に認められるが、現代にいたるまでの間にHL型に集中する傾向をみせる。
(2)3拍2字漢語の場合、{1+2}構造ではHLL型が多く、基本アクセントと認められる。{2+1}構造ではHLL型のほか、前部去声字のLHL型も多い。
(3)4拍2字漢語{2+2}構造の場合、多数型にHHHL型からHHHH型への移行が看取され、それが現代にも及んでいる。また呉音形による漢語は、字音声調をよく反映するアクセントが認められる。
(4)和語からなる{2+2}構造および{2+3/3+3}構造の複合名詞は、平安鎌倉時代のアクセントを継承したものがほとんどで、いわゆる「式保存」は認められず、近世以降現代までの間に変化があったことをうかがわせる。

報告書

(4件)
  • 2007 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2007 2006 2005

すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 和語から成る複合名詞アクセントの史的研究-近世京都における{2+2}構造の複合名詞について-2007

    • 著者名/発表者名
      上野 和昭
    • 雑誌名

      論集(アクセント史資料研究会) III

      ページ: 53-80

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 近世漢語アクセントの諸相2007

    • 著者名/発表者名
      上野 和昭
    • 雑誌名

      日本語論叢(日本語論叢の会) 特別号

      ページ: 1-12

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] A historical study on compound nouns with native morphemes-nouns with {2+2} morphological structure in Early-Modern Kyoto Japanese.2007

    • 著者名/発表者名
      Ueno, K.
    • 雑誌名

      The Research Group of Accent History (eds.) Ronshu III

      ページ: 53-80

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Aspects of the pitch accent of Sino-Japanese words in the Early-Modern Era.2007

    • 著者名/発表者名
      Ueno, K.
    • 雑誌名

      Nihongo Ronsoo no Kai(eds.) Nihongo Ronsoo

      ページ: 1-12

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 和語から成る複合名詞アクセントの史的考察-近世京都における{2+2構造}の複合名詞について-2007

    • 著者名/発表者名
      上野 和昭
    • 雑誌名

      (アクセント史資料研究会)論集 III

      ページ: 53-80

    • NAID

      40015706469

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 近世漢語アクセントの諸相2007

    • 著者名/発表者名
      上野和昭
    • 雑誌名

      日本語論叢(日本語論叢の会) 特別号

      ページ: 1-12

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 近世漢語アクセントの実態と史的位置づけ-2拍・3拍の漢語を対象にして-2006

    • 著者名/発表者名
      上野 和昭
    • 雑誌名

      論集(アクセント史資料研究会) II

      ページ: 85-114

    • NAID

      40015467237

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 近世漢語アクセントの史的考察-漢字二字4拍の漢語について-2006

    • 著者名/発表者名
      上野 和昭
    • 雑誌名

      音声研究(日本音声学会) 10-2

      ページ: 19-32

    • NAID

      110008763113

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『言語国訛』覚え書2006

    • 著者名/発表者名
      上野 和昭
    • 雑誌名

      『日本語辞書学の構築』(おうふう)

      ページ: 474-490

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] The characteristic of the accent of Sino-Japanese morphemes in the Early Modern Era and its status in the history of the Japanese language-the case for 2 and 3 mora Sino-Japanese words-2006

    • 著者名/発表者名
      Ueno, K.
    • 雑誌名

      The Research Group of Accent History (eds.) Ronshu II

      ページ: 85-114

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] A historical study on the pitch accent of Sino-Japanese in the Early Modern Era : A case of four syllable words written as two Chinese characters.2006

    • 著者名/発表者名
      Ueno, K.
    • 雑誌名

      Journal of the Phonetic Society of Japan 10-2

      ページ: 19-32

    • NAID

      110008763113

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] A note on Gengo Kuninamari2006

    • 著者名/発表者名
      Ueno, K.
    • 雑誌名

      「日本語辞書学の構築」 Nihongo Jishogaku no Koochiku, Tokyo, Oofuu.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 近世漢語アクセントの史的考察-漢字二字4拍の漢語について-2006

    • 著者名/発表者名
      上野和昭
    • 雑誌名

      音声研究(日本声楽学会) 10;2

      ページ: 19-32

    • NAID

      110008763113

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 近世漢語アクセントの実態と史的位置づけ-2拍・3拍の漢語を対象として-2006

    • 著者名/発表者名
      上野和昭
    • 雑誌名

      論集(アクセント史資料研究会) II

      ページ: 85-115

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 『言語国訛』覚え書2006

    • 著者名/発表者名
      上野和昭
    • 雑誌名

      日本語辞書学の構築(おうふう)

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 特殊表記からみた平曲古譜本-日本語アクセント史からの考察-2005

    • 著者名/発表者名
      上野和昭
    • 雑誌名

      論集(アクセント史資料研究会) I

      ページ: 105-131

    • NAID

      40015467229

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

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