研究課題/領域番号 |
17520323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
天野 政千代 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (80116524)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,040千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 属格 / 記述属格 / 複合語分析 / DP分析 / 限定詞 / his属格 / 前位限定詞 / 後位限定詞 / 所有格 / 有生性条件 / 限定詞前位詞 / 限定詞後位詞 / 限定形容詞 / 修飾語 / 指示詞 / 数量詞 / 複合語属格 |
研究概要 |
一般的に言われているのとは異なり、Abney(1987)で提唱されたDP分析だけでは英語の所有格形を扱うことはできず、Taylor(1996)等で提案された複合語分析も必要であることには疑いの余地がない。しかも、歴史的に見るならば、複合語分析を必要とする所有格形表現の数は増加傾向にあり、平成17年度以降のアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスにおけるアンケート調査の数値はその事実を見事に裏付けている。 もう1つの興味深い変化は有生性条件にあり、ジャーナリズム英語を中心にこの条件は消滅の方向に向かっている。この傾向はジャーナリズム英語以外にも現れ始めており、そうした有生性条件に違反した表現の多くはDP分析よりも複合語分析を要求している。この有生性条件と複合語分析との相互関係を実証的に証明したのは本研究が初めてであり、そういう意味でも共時的研究と通時的研究の自然な融合は極めて重要である。有生性条件は語用論的条件であり、その条件の変化が統語構造にも影響を及ぼしていると考えられる。この点はまだ十分に立証されたとは言いがたいが、可能性は非常に高い。他方では限定詞という範疇が現代英語で強化されつつあることも事実で、bothとallは前位限定詞から限定詞に変化しており、限定詞という統語範疇が現代英語で大きな理論的地位を獲得しつつあり、DP分析の重要性を示している。 こうした結論に至ることができたのは、平成17年度以降継続的に海外アンケート調査をしてきたためである。ある程度満足できるデータを蓄積することができたことも大きな成果であった。今後もこれを継続していきたい。
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