配分額 *注記 |
3,560千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
本研究のテーマはメタ表示能力と言語現象の解明であるが、2006年11月日本英語学会(第24回大会)において、研究代表者内田が司会兼講師として「metarepresentationをめぐって」というテーマでシンポジウムを行い、内田が「引用とmetarepresentation」、研究分担者の松井が「語用論、心の理論、metarepresentation」のタイトルで発表した。メタ表示と言語現象との関係について幅広く議論したが、この種のテーマはこれまでにないもので活発な議論ができた。 直接関連する成果論文としては、内田(2005,2007a,2007b)、吉村(2006,2007a,2007b)、Matsui(2005a,2005b,2006a,2006b)、松井(2007a,2007b)があるが、内田(2005)はメタ表示を引用現象に適用し、いわゆる引用、話法の分析に新しい視点を導入し、内田(2007a)ではメタ表示とダイクシスとを関連づけた。 言語獲得に関しては、内田(2007b)はメタ表示現象が言語に具現される語彙項目として「くれる/もらう/あげる」をとりあげ、従来授与動詞として扱われていたこれらの動詞にメタ表示という新しい視点から分析を試みたものである。Matsui(2005a,2005b)は子どもの「だって」の使い方に焦点を当てながら、心の理論の視点から掘り下げ、さらに松井(2007a,2007b)では、メタ表示現象をそれぞれのテーマで論じたものである。また、吉村(2006)は科研報告書であるが、本研究課題と密接に関連し、橋渡しとなるものである。 関連性理論は本研究の理論的背景であるが、内田と松井は他の3名と共に、関連性理論の最新の研究書、Robyn Carston, Thoughts and Utterances: The Pramatics of Explicit Communicationを翻訳し、2008年3月刊行した。総ページ数616ページという大部な書で、我が国における関連性理論の発展に貢献するものと思われる。
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