研究課題/領域番号 |
17520359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
本田 明子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 准教授 (80331130)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,480千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 方言 / 地域語 / 接触場面 / 共通語 / コミュニケーション / 留学生日本語教育 / 意識調査 / 日本語学習者 |
研究概要 |
従来日本語教育においては標準的な日本語を教育の対象とするものであって、バリエーションは切り捨てるべきものという考え方が一般的であった。しかし、近年の国際化の流れのなかで、地方の大学や短大が積極的に留学生を受け入れるようになり、バリエーションのなかでも、地域語をどのように扱うかが大きな課題となってきた。 本研究は、地域語(方言)の使用状況と留学生への影響を調査し、留学生に必要な地域語教育のための教材を開発するとともに、日本語のバリエーションのひとつである地域語を日本語教育のなかでどのように扱うべきかを考えることを目的とした。このために、文献等の先行研究調査、地域住民の会話録音調査、アンケートによる意識調査などによる地域語の使用実態、留学生の地域語に関する意識、地域語との接触の程度などの調査を行い、それに基づく授業を実施した。 調査の結果、方言を学習したいと思う留学生は、方言の実用性(日常生活のうえで地域語がわからないと困る)と機能性(日本の文化を知ることができる、地域の人々と円滑なコミュニケーションができる)という2つの面で動機を持っていることがわかった。また、方言を勉強したくないという学生は方言が日本語の学習の妨げになるという意識をもっており、日本の文化や地域社会への関心が低いという傾向がみられた。一方で、実際の地域の母語話者と留学生の会話を調査した結果、方言がコミュニケーションの障害になる例はほとんどおこらなかった。 このことから、日本語教育における地域語は実用性を重視するよりも、方言を知ることで日本の文化に関心をいだいたり、母語話者とのコミュニケーションが円滑に進んだりといった方言の機能性に着目すべきであると結論した。 これに基づき、方言から日本文化を知るというテーマで教材を作成し、授業を実践した。これをもって、日本語教育におけるバリエーションの扱い方に関する一提案としたい。
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