研究概要 |
言語研究における「理論」と「応用」の問題(あるいは「真理追究」に対する「実用的応用」の意義付けなど),言語使用分析の方法論(コーパス分析の問題点,頻度研究の位置づけなど)に関する考察を,「実用的応用」を志向したドイツ語研究のサンプル的成果とともに,『ドイツ語研究の一構想』としてまとめ,報告書の一部とした。この論考によって,客観的な評価の可能な理論的ドイツ語研究の一つの方向性を示すことができた。 ドイツ語IT教材は,これまでに作成してきたドイツ語教材を利用しつつ,試作品の具体的な使用などを通して,幾多の改善を行い,一定の完成度のものに仕上げた。本IT教材の特徴は,たとえば自動正誤チェック,音声コンビネーション,文法説明(PDFファイル)の体系的なリンクであるが,数多くの練習問題を,パソコンのキーを打ちながら,繰り返し実践的に学習できる点も,大きな特徴と言えよう。 このIT教材の訓練事項は,基本文例(約370文),動詞人称変化(現在,過去,完了形,受動,接続法の人称変化;約250動詞),名詞句格変化(名詞,冠詞類,形容詞;約100事例)からなる。したがって,この教材によってドイツ語初級文法をマスターすることができることになる。全体として,ドイツ語研究の成果を応用しつつ,IT技術によって,ドイツ語教育改善のための一定の道筋を拓くことができた。今後は,初級文法の学習という目的よりも,さらに実践的な目的(たとえ日本人のドイツ旅行)に即したドイツ語教材を作成することになる。
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