研究課題/領域番号 |
17520431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高橋 輝和 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (90039793)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,240千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 第一次世界大戦 / ドイツ兵俘虜 / 俘虜収容所 / 日独青島戦 / 丸亀俘虜収容所 / 板東俘虜収容所 / 松山俘虜収容所 / 徳島俘虜収容所 / 坂東俘虜収容所 |
研究概要 |
第1次世界大戦時の在日ドイツ兵俘虜収容所の内で、板東・久留米・習志野の3大収容所については防衛省の防衛研究所や外務省の外交資料館等にある国内史料によりその実態が比較的よく判明しているが、他の小規模な収容所については国内史料が極めて限られているために、これまで十分な調査がなされていなかった。他方、ドイツ各地の公文書館やワシントンの公文書館には貴重な史料が多数眠っていると考えられるにもかかわらず、これまでほとんど調査がなされたことがなかった。本研究はそのような海外の公文書館、並びに個人の所蔵する関係史料を調査して、これまで国内史料では不明であった小さな収容所を含めて、日本側の史料とは視点の異なる海外の史料に基づき、各収容所の実態を解明しようとするものであった。 本研究期間中に国外、並びに国内から新たに入手した各種の関連史料を分析した結果、丸亀収容所を中心に在日ドイツ兵俘虜収容所の実態をかなり良く解明することができた。その際得られた特に重要な知見は次の2点である。 1.久留米収容所は最悪の例外であるが、ほとんどの在日ドイツ兵俘虜収容所の所長は国際条約を遵守して、ドイツ兵俘虜の人道的な処遇に努力しており、これは第2次大戦時の日本軍の俘虜虐待とは正反対の、世界史上において再評価されるべき事象である。 2.ドイツ兵俘虜の先進的な技術を利用したいと考えた日本側の期待によく応えて、ドイツ兵俘虜は各地で技術指導や所外労働、製作品展覧会を行なっており、これらの活動を通してこの時代に、ドイツの技術や文化に対する一般日本人の肯定的な観念が一挙に固まり、日本中に広まって行ったと考えられる。これもまた世界史における稀有の事象であった。
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