研究概要 |
本研究は、核被害特に広島の核被害に実態を明らかにし、記録する作業の一環として、手記、証言、文学作品など書かれた資料、中でも原爆文学関連の資料に焦点を当て、これを電子媒体、特にデジタル画像に記録し、その目録を作成することを主たる目的として行った。本研究の主要な成果は次の二点である。 (1)資料の収集とその電子化、デジタル画像化 峠三吉資料(約1万コマ)、原民喜資料(約7,500コマ)、プランゲ文庫広島関係雑誌の検閲記録(約4万コマ)をデジタル画像化した。また、カザフスタン・セミパラチンスクの被曝証言、ロシア語、日本語、英語それぞれ約500件を電子化した。また、平岡敬寄託の朝鮮人被爆者関連資料の整理と目録作成も行った。 (2)電子化、デジタル画像化した資料の整理と目録の作成、公刊 峠三吉資料のうち、公表可能な自筆草稿約1,500件(画像にして約5000画像)について、作品草稿などの表題索引を付した目録を作成し、冊子体で公刊した。さらに、画像と、目録及び表題索引をリンクさせ、検索の便を図ったデジタル画像つき自筆草稿目録を完成させ、CD媒体で公表した。この自筆草稿画像目録では、目録の資料番号あるいは作品の表題から直ちに草稿の画像を呼び出して内容を検討することが可能である。 書簡、日記など個人情報、プライバシイの問題のため直ちに公表できない自筆資料についても上記画像目録化の作業を進めたが、いまだ未完成である。また、将来の公表の方法の慎重な検討も必要である。 以上の成果は、主として学術論文、図書として公表した。
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