研究課題/領域番号 |
17520438
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
荻 慎一郎 高知大学, 人文学部, 教授 (60143070)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,010千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 日本近世史 / 鉱山史 / 薩摩藩 / 日本近代史 |
研究概要 |
近世日本は鉱業国であった。特に江戸時代初期には金山、銀山が開発され、後には銅山が開発された。薩摩(鹿児島)藩領では日本有数の金山が存在した。本研究は、近世における薩摩(鹿児島)藩領の鉱山についての概要を明らかにして、その実証的研究を行うものである。薩摩藩領には長野・山ケ野金山をはじめ、芹ケ野金山、鹿籠金山、谷山錫山などの諸鉱山が存在した。とりわけ、長野・山ケ野は寛永17年(1640)に開発されたものの、わずか数年で稼業を中止し、明暦2年(1656)に再開され、注目される。開発の歴史、生産量や支配・経営、鉱山社会、労働力、技術等の日本鉱山史研究の基本的諸問題について明らかにする研究が求められている。 本研究を遂行するため、まず関係文献の調査収集を進めた。また残存する関係史料の調査収集を所蔵機関において実施した。収集した史料のうち、未だ翻刻活字化されていない長野・山ケ野金山関係史料については、解読の上でパソコンを使って蓄積した。また、活字化されているが膨大な分量にある『鹿児島県史料 薩藩旧記雑録』については、鉱山関係史料のみを摘出し整理した。研究成果の一部については、論文で発表した。長野・山ケ野金山は寛永20年(1643)には幕府の指示をうけ一旦閉山した。その要因については諸説があるが、『鹿児島県史料薩藩旧記雑録後編』所収の関係史料を分析し、開発の経過、諸藩領鉱山をめぐる状況をふまえて、薩摩藩と幕府の関係、寛永飢饉の影響、領内・外の農村から鉱山への労働力移動の諸点から検討し、閉山にいたる過程を明らかにした(拙稿「近世日本の鉱山-薩摩藩領長野(山ケ野)金山の開発と寛永20年の閉山を中心に-」)。さらに、同山の開発には隣領肥後熊本藩領の金掘り(宇土在)が招聘されているなど、注目できる点を確認した。今後も、その成果を還元すべく論文として発表する予定である。
|