研究課題/領域番号 |
17520526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
大西 智和 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (70244217)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,870千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 積石塚 / 古墳時代 / 島嶼部 / 横穴式石室 / 鉄鏃 / 須恵器 / 島嶼 / 石室 / 副葬品 |
研究概要 |
本研究では西日本の島嶼部に立地する積石塚墳を対象として、島嶼部に積石塚墳が成立した要因、展開の過程、相互の関係の有無、各地域内での他の墓制との関係性など、多方面から検討を進めることにより、互いに離れた地域に見られる類似現象の解明を目指した。 各地の積石塚墳において観察を中心とするフィールドワークを実施したが、とくに、鹿児島県長島の明神・指江古墳群については、分布図を作成するための測量調査や詳細な観察調査、出土遺物の実測調査などを行い、基礎的データの収集に努めた。 調査によって収集したデータや、報告書のデータなどを基にした分析をとおして考察を行った。いずれの積石塚墳においても、階層性が表現されている状況を読み取ることができ、その状況は、列島の各地域に見られる古墳群のあり方と同様であると考えた。島嶼部における積石塚墳は、古墳文化の周縁地域において、基本的には島および島を含む在地の人々の手によって、土の墳丘と置換可能なものとして、成立し営まれたものと解釈した。積石塚墳はそれらを営んだ人々からは、きわめて古墳的なものとして認識されていたと考えている。なお、「土」と「石」の置換に際して、島という立地は大きな意味を有していたものと想定している。 本研究ではフィールドワークを重視し、とくに、鹿児島県長島の明神・指江古墳群に関する基礎的資料を蓄積することができた。また、離れた地域に見られる構造的に類似した遺構の成立要因に、「置換」という解釈を持ち込んだことは、これまでの「関係性」を重視する解釈に、さらなる選択肢を加えることができると考えている。これらが、本研究の意義および重要性の一部である。
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