研究分担者 |
金坂 清則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00092825)
小方 登 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (30160740)
天野 太郎 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (70293933)
稲垣 稜 奈良大学, 文学部, 講師 (20378821)
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配分額 *注記 |
3,240千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本研究は,日本の近代都市の地域構造を,従来あまり注目されなかった地価の分布状況を通じて明らかにすることを目的とし,とくに土地宝典など地価分布が1筆ごと,あるいは1本の道路ごとに示されている資料が複数の時期について存在する東京,大阪,京都などの大都市について,重点的に地域構造の復原を試みた。結果は以下のとおりである。 まず京都については,明治30年ごろから昭和初期に至る3つの時期の地価の分布の変化を考察した(山画誠)。明治中期について用いた資料が他の2時点のものと性格が異なるため,相互の比較には慎重を期す必要があるが,全体を通じて(あるいは戦後の状況とも合わせ考え)京都の既成市街地区における地域構造の安定性が明らかとなった。 大阪については,近代で最初に公的に設定された地価である明治11年の地価資料の精密な図化を通して,これまでとかく,明治期の大阪では近世の名残をとどめて東西方向の道路がより重要であったとの理解がなされていたことを批判し,当時すでにいくつかの南北方向の通り(つまり筋)が高い地価等級を与えられていたことを論証した(金坂清則)。 東京については作業が未完了で,予察段階にとどまるが,本研究に従事する過程で見いだした『土地概評価』と総称すべき資料群が,大正10年前後,すなわち関東大震災の直前の時期の東京における地価分布の実態を知る上で貴重な資料であるにとどまらず,地誌的作品としても高い価値をもつことを指摘した(山田)。 ほかに,研究分担者の天野太郎は大阪の郊外住宅地開発について,また同じく稲垣 稜は大津市堅田地区の性格の変化について,本研究課題との関連に留意しつつ考察を行った。
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