研究課題/領域番号 |
17530022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 徹也 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (10273393)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 法人税法 / 会社法 / 税法 / 組織再編税制 / アメリカ法 / 三角合併 / 対価の柔軟化 / 剰余金の分配 / 英米法 / 租税回避 / 組織再編成 / 配当 / 自己株式 / 損金算入制限 |
研究概要 |
研究計画を遂行して、特に論点と感じられたのは、まず剰余金の分配であり、次に対価の柔軟化の問題であった。 会社法上、従来の有償減資は、「資本の減少+剰余金の配当」という二つの取引に分解された。そのため、後半部分の剰余金の配当を、会社法が配当としているからという理由で、これまで通り税法上も配当とするのか否かが問題となる。このような問題は、有償減資に限らず、あらゆる会社法上の「剰余金の分配」を税法上どう扱うかということに関連している。 立法論としては、(1)配当とする、(2)有償減資の場合のような「純資産に基づく按分的な課税」とする、(3)資金の出所については法人の処理に任せて、それに応じて課税する(例えば、法人が資本金を取り崩し、それを剰余金の配当原資とした処理を行った場合は、課税しない等)、(4)法人に利益準備金が存する限り配当とする、といったものが考えられる。 平成18年度改正税法は、結局(2)を採用した。これは、会社法とは一応無関係に、税法独自の配当概念を作り上げることにつながる改正である。しかし、改正法は、配当と実質的には等しい経済的効果を持つ「比例的分配」について、配当課税を貫徹できないなどの問題を包含している。 対価の柔軟化については、平成19年度改正法により、親会社株式を対価とする三角型の組織再編成(三角合併等)について、一定の要件を満たした場合に、課税繰り延べが認められることとなった。これについては、アメリカ法からの示唆を前提とするならば、税法のルールが会社法に依拠する必要性を否定はしないものの、それに盲目的に従属するのではなく、常に税法の視点から取引を捉え、課税上の扱いを検討していく必要があると思われる。
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