研究課題
基盤研究(C)
本研究は、民法規定の類推適用に関して、(1)判例データベースの構築、(2)それに基づく類推パターンの類型化、(3)各類型における類推適用の具体的要件の抽出と限界設定を行うことを目的とした。(1)については、表見法理に関する類推適用判例を条文ごとに抽出し、判例1件ごとに事案、判旨、コメントから構成されるデータとして整理した。これにより、類推適用の主要場面である表見法理について、判例による類推適用の実体を明らかにした。(2)については、上記データベースにおける各判例について、どのような場合に類推適用がなされているかを分析し、条文ごとに類推適用の場面ないし類推適用のパターンを類型化した。これにより、どのような事案類型においてどのような類推適用がなされているかの実体を明らかにした。(3)については、上記データベースおよび類型の分析、ならびに類推適用に関する最近の重要判例についてのいくつかの個別研究から、判例による類推適用について、条文ごとに類推適用の範囲(幅)を見出すことができた。しかし、判例は、ある類推適用判例を基に、いわば「類推の類推」を繰り返して類推適用の範囲を拡大させており、判例の実証研究からは、類推適用についての共通の要件・限界を設定することは困難であることが明らかとなった。したがって、類推適用の要件・限界設定のためには、理論研究が必要であり、表見法理に関する類推適用については、その共通原理である「帰責性」概念について、法律行為論上の意義等を理論的に明らかにすることが必要である。
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