研究課題
基盤研究(C)
本研究は、東マレーシアのサバ州とサラワク州の華語教育に焦点を当てて、その歴史的変遷を分析することで、両州の華人社会の歴史と現状、今後を明らかにすることを目的とする。サバとサラワク州は、半島マレーシアとはいくつかの点で大きく異なっている。半島マレーシアでは人口の半数以上を占めるマレー人がこの2つの州ではマイノリティであり、多様な先住民が数多く住んでいること、外来系住民である華人人口がマレー人を上回っていること、華人にクリスチャンが多いことなどである。1963年までイギリスの植民地であったこの両州は、マラヤ連邦に統合されて新連邦マレーシアの州となることで独立を達成した。しかし、新連邦結成後まもなく「マレー語への同化政策」が始まり、すべての中等教育機関以上の公教育は半島マレーシア同様にマレー語で行われることになった。華人社会は、自分たちの母語や文化を守るために、独自の私立の中等教育機関(独立中学、独中と呼ばれる)を維持、発展させる道を選択し、今日に至っている。しかしながら、サバ州の独中とサラワク州の独中は学生数で大きく差が開いてしまった。サバでは、華語の国民型小学校(華語で教育が行われる小学校、扱いはマレー語で授業が行われる公立小学校と同じ)卒業生の約30%が独中に進学し、これは半島マレーシア平均の15%を大きく上回っている。ところが、サラワク州ではわずか10%である。サラワク州の独中は近年、存続の危機に瀕しているとも言われている。なぜサバ州の独中はその維持、発展に成功し、サラワク州では危機に瀕しているのか、サバの華人社会はどのような選択をして華語教育の維持に成功しているのか。その選択によって、サバの華人社会はどのような方向に進もうとしているのか、この研究ではこれらを考察、分析した。
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日本東南アジア学会ジャカルタ研究大会報告書
ページ: 10-10
マレーシア国立サバ大学社会科学部主催のセミナーでの研究報告ペーパー
ページ: 12-12
国立マラヤ大学主の国際東南アジア学会に提出した研究報告ペーパー
Paper presented to Occasional Seminar organized by Department of Social Science, University of Sabah
ページ: 16-16
Paper presented to International Conference on Southeast Asia, University of Malay
International Conference on Southeast Asia, University of Malay(国立マラヤ大学主催の国際東南アジア学会に提出した研究報告ペーパー、2005年12月12日)
Occasional Seminar organized by Department of Social Science, University of Sabah(マレーシア国立サバ大学社会科学部主催のセミナーでの研究報告ペーパー、2005年8月8日)
ページ: 15-15