研究課題/領域番号 |
17530180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上田 良文 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (50106788)
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研究分担者 |
西崎 一郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80231504)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,080千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 社会起業家 / 流域社会 / コモンズ / 非営利ビジネス / ネットワーク / インセンテイブ / 公共財私的供給 / ゲームモデル / 非営利ビジネスモデル / 流域ネットワーク / エコロジー / 自然体験教育 / 農林業 / 流域生態系 / 非営利ビジネス・モデル / 流域ネットワーク社会 / リーダーシップ / 持続可能性 / ミッション |
研究概要 |
本研究の目的は、流域社のコモンズを再生するための資金調達方法として社会起業家の非営利ビジネスの可能性を検討することであった。そのため、非営利事業の商品に対する市場アンケート調査、非営利組織の管理費用、および運営主体の社会起業家の概念を構築するとともにそのインセンテイブ分析を行った。さらに、日本の流域社会のコモンズ保全に関する歴史モデルを構築し、我が国の流域社会が果たしてきた世界史的な意義を明らかにした。研究によって得られた主要な知見は以下の通りである: 1.エコ商品事業の代表的なモデルとしてペットボトル水販売事業、エコタウン事業、自然体験教育事業を取り上げ、アンケート調査と数値分析によって事業化の条件を明らかにできた。 2.社会的ミッションを持つ起業家という従来の社会起業家概念は、組織化機能と管理機能を担う際のコスト要因を無視しており、また私的利益と社会的利益を同時に追求する社会起業家の行動を合理的に説明できなかったが、NeurobiologyとCase-Based Decision理論に基づいて社会起業家の動機分析を体系的に説明した。 3.以上の研究に基づいて消耗戦ゲームモデルの分析枠組みのなかでコモンズの再生を目指す非営利ビジネス事業を引き受ける社会起業家が現れる条件を導出した。同時に、非営利組織が選択される合理的な根拠を導出した。 4.日本の流域ネットワーク社会の歴史研究によって、弥生時代以降我が国においては流域コモンズを保全するための経済社会システムが形成されていたことを確認した。また我が国の国家建設が流域社会の建設と流域コモンズの保全問題と深くかかわっていたことを明にした。 本研究によって得られた知見を、社会起業家の教育プログラムに活かし、流域社会ネットワークによってコモンズを保全するという我が国の伝統的な知恵を現代的に再活用することは今後に残された課題である。
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