配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本研究の成果は主に二つである。第一に,都市再開発やマンションの建て替えを阻害してい法律や規制を緩和し,望ましい都市を形成するための手法として,プット・オプションを用いて,都市再開発やマンション建て替えを円滑にするための方法を提案した。都市再開発のひとつの障害は,開発によって何らかの不利益を受ける主体に十分な補償が支払われないことによるものである。プット・オプションは,保険の機能を導入するうえですぐれた制度である。その仕組みを応用することによって,都市再開発やマンション建て替えに反対する人々の不利益を,十分に補償することを通じて,再開発を円滑にすることが可能である。 第二に,都市再開発の費用と便益を比較するために,国立市における「建築物等撤去請求事件」を取り上げ,マンション建設にかかる社会的費用とマンション建設による社会的便益を試算した。両者を比較することによって,再開発の是非が問われなければならない。本研究では,最初に住宅価格の変化を用いて,間接的に景観上の不利益である外部不経済の額を検証した。次に,マンションの部分的撤去による費用の1つである,企業価値の損失を計算した。その結果,マンション建設が景観を悪化させるとして制定された「中三丁目地区条例(20mの高さ規制)」には経済学的根拠は無いと判断される。次に,企業価値に関する分析では,訴訟の影響は不動産業全体には有意な影響を与えなかった。しかし,地裁判決は当該マンション建設業者に無視できない影響を与えたことが明らかとなった。
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