研究課題
基盤研究(C)
本研究を通じて多くの成果が得られたが、その最大のものは「経済政策をデザインする際に、その政策に関わる利害関係グループのインセンティブを折り込むことの重要性」を再確認できたことだろう。このことは異質な主体から構成される経済・社会において、公平性の改善を目的とした所得再分配政策をデザインする際に特に重用となるだろう。本研究は3つの章、および付録論文1から構成される。第1章「公的債務のマクロ経済効果」では、平成18年度末でGDPの1.5倍にもなると予想されている公的債務が、我国のマクロ経済に及ぼす影響について考察した。第2章「公的医療制度改革の経済厚生効果分析」では公的医療制度改革の経済厚生効果を分析する方法を提案し、その応用例として2003年4月に実施された公的医療制度改革の効果を分析した。第3章"The Effects of Optimal Redistribution Policy on the Competitive Balance and the Quality of Professional Baseball League"では、プロ野球リーグ全体の価値を最大化するようなチーム所得の再分配政策が、各チームの戦力格差や、プロ野球リーグの質を改善するかどうかを分析した。付録論文「公的債務問題に見る政府の役割の再検討」は、第1章「公的債務のマクロ経済効果」をベースとした上で、実証分析を付け加えることによって、第1章の理論的考察の現実的妥当性について考察したものである。
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京都大学経済論叢 178・3
ページ: 1-29
120002401907
広島大学経済論叢 30・3
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110006217567
広島大学経済論叢 31・1(印刷中)
110006409429
The Economic Review, Kyoto University Vol.178-3
The Hiroshima Economic Review, Hiroshima University Vol.30-3
The Hiroshima Economic Review, Hiroshima University Vol.31-1 (in press)
京都大学 経済論叢 179・3(掲載決定)
広島大学 経済論叢 30・3
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110004322009
The Hiroshima Economic Review, Hiroshima University Vol.29-3
Working Paper Series, Department of Economics, Hiroshima University No.2006-3
Mimeograph, Department of Economics, Hiroshima University
Chapter 4 of T. Tachibanaki, ed., Empirical Analysis of the Japanese Economy : Getting Over the Lost-Decade, Toyo-Keizai Shinposha
ページ: 69-90