研究課題/領域番号 |
17530244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菅 壽一 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (70033743)
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研究分担者 |
二村 博司 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (70263663)
瀧 敦弘 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (40216809)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,570千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 財政赤字 / 経済成長 / クラウディングアウト / 税制改革 / 世代会計 / 応用一般均衡分析 / 応用一般均衡モデル分析 |
研究概要 |
公債と経済成長の関係は、現代の経済・財政政策上の最大の関心事のひとつである。膨大な財政赤字を抱えた状況で、将来の経済成長が期待できないとすれば、将来の所得の増加(いわゆる自然増収fiscal dividend)で、借金を返済することは不可能になろう。そのため、借金の返済のための将来の増税が不可避となる。政府の予算制約を明示した単純な経済成長の枠組みを使って、赤字率固定方式と税率固定方式を対比しながら、財政赤字の資本蓄積への影響を再検討した。その結果、過剰な財政赤字に伴うクラウディングアウト(資本蓄積阻害)効果が経済成長への重大な制約になることを再確認した。そして、かなり厳しいいくつかの条件が現実に満たされない限り、長期にわたる赤字財政は実行不可能であり、またつねに赤字財政が最適というわけではないことを明らかにした。その意味で、経済成長の視点からも、過剰な財政赤字の削減を段階的に進めていくことが急務であるということも再確認した。これらは、単純なモデルからの結論でしかないが、歳出・歳入の一体的改革で、中長期的に財政の健全化を図っていくための明確な根拠を示していることを明らかにした。しかし、現実にプライマリーバランスを適切にコントロールして、動学的に公債残高の安定化に繋げていくことは、政治的にみて容易ではない。確実な制度的裏づけのもとで、段階的に結果を出していけるようにコミットしていくことが必要になろう。その意味で、このような処方箋により説得力を持たせるためにも、各種の内生的成長モデルの展開を踏まえた分析の一般化と、それらの政治的・制度的側面からの検討が残された課題である。
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