研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では経済的にも政治的にも混乱したドイツ両大戦間期(ヴァイマール共和国期からナチス期にかけて)を分析の中心対象時期としながら、その中でなお展開する社会国家(そのあり方は時々の経済、政治状況などのより大きく異なるが、国家が何らの方法、規模、範囲をもって社会的機能を引き受けることにより成員の経済的充足と社会的展開の可能性を保障する体制)の展開の論理を明らかにしてきた。またそうした国家の社会的機能のあり方の展開に関する連続性を重視する考えから、それに先立つ第二帝政期、また両大戦間期に続く第二次大戦後の東西両ドイツ、さらには統一ドイツにおける社会国家としてのあり方まで長いスパンで総合的に理解を深めるべく、歴史貫通的な分析を展開した。そこで、両大戦間期の社会国家、わけてもそこでの社会保険の展開の分析が、別添書式C-18、研究成果報告書のもっとも主要部分を構成すると共に、第二帝政期の労働者保険の形成過程、そこで生じる諸問題とそれへの対応から見られる当該時期の社会的連帯のあり方に関しても分析を深め、それは同報告書にも記載された。(戦後の時期も総合的考察の主要な一部に含まれるが、同報告書においては従前課題との重複を避けるため、詳細な記載は見送った。)これまでは暫定的なかたちで本研究成果を学会報告、学会誌等で公表しているが、正規の綿密な分析に関しては一つの通史として一書のかたちで公刊すべくその原稿を作成してきた。現在その編集、発刊にむけて準備をすすめているところである。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)
歴史と経済 195号
ページ: 1-11
『歴史と経済』(旧『土地制度史学』 195号
The Journal of the Political Economy and Economic History(Rekishi to Keizai) Vol.195
Gonjo, Yasuo (main editor), Neo Liberalism and the Postwar Capitalism-Historical Experience in Europe and the USA, Tokyo (Nihon-Keizai-Hyoronsha)
権上康男編著『新自由主義と戦後資本主義--欧米における歴史的経験--』日本経済評論社、所収論文
ページ: 217-254
現代ヨーロッパの社会経済政策-形成と展開(廣田功編)(日本経済評論社)
ページ: 181-210