研究課題/領域番号 |
17530291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
柴田 悟一 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (90046079)
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研究分担者 |
柴田 典子 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 准教授 (60347284)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 因子分析 / 首尾一貫性 / 決断力 / コミュニケーション / 現場 / 理念 / 意思決定 / 因子負荷量 / 社会福祉施設 / リーダーシップ / モテイベーション / マネジメント / リスクマネジメント / ヒヤリ・ハッと |
研究概要 |
措置費(税金)で運営されていた社会福祉施設にも、平成12年4月にこの制度が廃止され競争の原理が導入された。このような状況の中で行った施設長へのアンケート調査の自由記述覧には、多くの施設長が「今後はマネジメント能力が必要」と書いている。しかし実際にはこの業界においてはどんなマネジメント能力が必要であるかについての先行研究がない。そこで本研究は施設長にアンケート調査を実施し、収集されたデータについて因子分析を行ったがその結果次の6つの行動因子が発見された。 第1因子は「意思の強さと周りへの気配りを重視する」因子。第2は「人材育成と情報収集」の因子。第3は「現場との対話を重視する」因子。第4は「施設の方向性を明示する」因子。第5は「過去の成功と伝統を重んじ、慎重に物事を進める」因子。そして第6は「職員の意見に耳を傾ける」因子である。 それぞれの因子の中での負荷量の多い質問項目を1つづつ挙げると次のようになる。第1因子に関しては「言動に首尾一貫性がある」。第2因子については「研修の機会を作っているか」。第3因子については「現場の職員と顔を合わせる」。第4因子については「施設の理念・使命を職員に話す」。第5因子については「慎重に物事を進める」。そして第6因子については「職員の意見を聴いたり相談する」という項目の負荷量が多い結果となっている。 さらに数名の施設長に直接インタビューを行い、マネジメント上の問題を聞き出したが、その中で最も需要と考えられる次の点を付け加えておく。すなわち、マネジメントの対象者として最も考慮しなければならないのは利用者の「家族」であるということである。社会福祉施設の顧客はまず考えられるのは施設の利用者であるが、それ以上に重要なのは顧客の家族である、ということである。この家族とどう対面し、どう関わっていくかが施設マネジメントの重要な課題だということである。社会福祉施設では事故がつきものである。施設利用者が高齢者であったり、知的障害者であったりする。したがって、些細なことから事故が発生している。訴訟もあり得る問題であり、その問題提起者が本人ではなくその家族なのである。社会福祉施設におけるマネジメントでの最重要テーマがリスクマネジメントであると言えるかもしれない。
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