研究課題
基盤研究(C)
本研究は、「世界の工場」中国広東省・珠江デルタにおける産業集積の特質について、佛山市順徳(Shunde)区の観測を重点に考察したものである。従来脚光を浴びていた深〓などデルタ東岸地域にたいして、順徳が位置する西側内陸地域が、家電・家具などの世界有数の産業集積地域として台頭し、輸出と内需拡大の両面を通じて均衡のとれた発展類型を示していることを考察した。公表論文としては、第1に、順徳の歴史的な発展基盤として、この地域特有の生態循環農法を起点に、上海・天津を上回る世界有数の養蚕・絹工業地域に発展した近代工業発展の重要地点であったことを解明できた。第2に、順徳はまた世界的な「家具之都」でもあり世界最大の家具産業クラスターが形成されていることを解明した。順徳の世界史的な産業発展の総括図を示しつつ、歴史的に形成された起業家マインド、「順徳企業群」の発展と政府の支援によるゾーン型都市開発方式を「順徳モデル」として設定し、「順徳制造(メイドイン・順徳)」の意義を強調した。第3に、珠江デルタの地域特性を考察するため、雁行型発展論や輸出加工区などの理論を整理し、メキシコのマキラドーラとの国際比較を行った。その結果、中・墨両地域の新たな再編動向に共通性と競合する面があることを指摘した。2つの加工貿易地域・国境経済圏の比較に独創性があると考えている。最後に、珠江デルタにおいては、円環型のインフラ整備が急速にすすんでおり、日系自動車3大メーカーの拠点形成は多彩な産業集積を加速させ、新たに内需拡大・販売市場としても注目されはじめている。地域化がすすむ東アジアの戦略的拠点としても重要になっていることを指摘した。こうした珠江デルタの国際比較的研究を集約した研究成果は、単著『多国籍企業の世界的再編と国境経済圏』として2008年夏に刊行が決定している。
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