研究課題/領域番号 |
17530331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
西村 順二 甲南大学, 経営学部, 教授 (60198504)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 卸売業 / 日本型流通 / 流通経路 / チャネル / 取引 / 流通 / 商業 / 卸売 / 卸売流通構造 / 暖簾 / ブランド |
研究概要 |
日本型流通の特徴を生み出す構造要因の一つの大きなものが卸売業の構造特性である。この卸売業が長い間流通経路上でチャネル・リーダーとして流通経路を構築・管理・統制してきた。その実行力は、取引関係におけるパワー関係に集約される。垂直的に、個別の取引が継起的段階として連環していって、はじめて流通経路は形成される。その意味では、取引関係の中に取引当事者間のパワー関係は埋め込まれることになる。本研究ではこの取引関係に着目し、そこにおけるパワー関係を機関・制度体自身が有する暖簾の影響という観点から考察することを目指した。 先ずは、そもそもの日本型流通機構の特徴把握が、取引関係の変質、それに伴う取引関係の変化、取引関係と業態変化の関連性、それらの集積の特徴把握という観点から試みられた。さらには、卸売業に関する学説史の考察も行われた。 その後、「暖簾」概念へのアクセスが試みられたが、その定義付けの曖昧さやブランドとの混同、そして知的財産としての認識不足などの諸問題がまだまだ残されているため、その予備的研究として近年の流通を取り巻く環境変化に着目し、本来環境適応的である流通業者の業態変化そして遂行機能の変化にっいて、環境的特定的なものと、そうではない固有なものとの区別が試みられている。本質的には、流通業・商業の役割はかわらないものの、ITなどに代表される技術革新、経済のグローバル化、そして消費の多様化・複雑化という大きな環境変化のもとでは流通業・商業の果たす役割も変質することが示されている。さらには、一つの事例として地域商店街組織の役割変質についても、現代的視点から考察が加えられた。「暖簾」概念への直接的な分析は実現できなかったが、その予備的考察としては、卸売構造の固有性が、それを生み出す基盤となっていることが明らかになったと言える。
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