研究課題/領域番号 |
17530338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
岡部 孝好 阪南大学, 経営情報学部, 教授 (60067676)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 裁量的会計行動 / 利益数値制御 / 収益数値制御 / プロフォーマ利益 / 包括利益 / 配当可能額 / クリーン・サープラス原則 / ダーティ・サープラス原則 / ダーティ・サープラス項目 / 会計不正 / 機会主義的会計行動 / ビジネス・スタイル / 収益認識 / 契約コスト |
研究概要 |
市場で最も広く使われている会計数値は利益数値(1株あたり利益、各種の利益率を含む)であり、なかでも重要性が高いのが損益計算書の「最後の1行」(bottom line)である。このため、会計数値を公表する企業の経営者は利益数値をターゲットにして、会計数値を裁量的に操作しようとする。経営者が利益数値に狙いを定めて、この数値を操作する裁量行動は利益数値制御(earnings management)といわれている。 これに対して、利益数値というよりも売上高をターゲットにして、収益の金額を裁量的に調整することがあるが、この裁量行動が収益数値制御(revenue management)である。アメリカにおけるITバブル崩壊後、多数の「会計不正」が露見したが、その多くはこの収益数値制御によるものである。この収益数値制御には違法な架空売上高の計上のほかに、売上の計上時点を繰り上げる早期収益認識、純額法の代わりに総額法を採用するグロスドアップなどが含まれている。 本研究においては、利益数値制御と収益数値制御の両面にわたって日本企業における裁量的会計行動を追跡し、会計実践の実情を明らかにすることに成功した。この研究成果の主な特徴として、(1)エージェンシー理論、契約コスト理論に依拠して、しっかりした分析のフレームワークによっている、(2)利益数値制御と収益数値制御の双方につきケーススタディを展開し、実際の会計実務を詳細に調査している、(3)新会社法との関連において、法定の配当可能額、クリーン・サープラス原則、ダーティ・サープラス項目、包括利益などを具体的に検討している、(4)市場において注目されているプロフォーマ利益、アナリスト予測などにまで分析を拡げている、という点が挙げられる。
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