研究課題/領域番号 |
17530385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 関東学院大学 (2006-2007) 仙台大学 (2005) |
研究代表者 |
鈴木 弥生 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (80289751)
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研究分担者 |
佐藤 一彦 秋田桂城短期大学, 地域社会学科, 助教授 (40259304)
増子 正 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (80332980)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,650千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | バングラデシュ / 援助 / 社会開発 / クミッラ県 / 貧困層 / 農村 / コミラモデル / モデル農村開発計画 / 貧困 / 緑の革命 / 市民社会 / 内発的発展 / NGO / well-being / 現地NGO / 貧困女性 / 子ども |
研究概要 |
クミッラ県には、1960年代初期の東パキスタン時代に「コミラモデル」=緑の革命が最初に導入された。これまでの研究成果では「コミラモデルはアクタル・ハミッド・カーンによって実施された農村開発である」という一国的な枠内でのとらえ方が主流であった。だが、コミラモデルは冷戦体制下におけるアメリカの世界戦略と結びついている。コミラモデルでは、2段階協同組合であるKTCCAとKSSが組織化され、これらを通してIRRIで生み出されたIR-8が導入された。近代的投入物に要する諸費用は巨額であったが、KTCCAには外国援助による補助金が集中した。KTCCAは、補助金と自らの資産を元手に米増産をはかり、収益金を増加させた。一方、KSSでは近代農法実施に要する費用が換金作物の売上額を上回り、年々累積赤字が増していった。土地なし農民は、さまざまなプログラムへの参加機会さえなかった。 また、メグナ・グムティ橋(日本ODA)の東側に位置するダウドゥカンディ郡には、1992年に日本ODAによって「モデル農村開発計画」が導入された。このプログラムでは、コミラモデルの実験にならって近代農法を奨励した。その成果は、乾季に限って多収穫新品種ポロ稲の生産量を増やしたことである。しかし、灌漑設備を使用する近代農法は、大量の用水、多くの化学肥料と農薬を使用するため、農民にかなりのコスト負担がかかる。また、雨季に行われる在来種米の作付面積は激減している。その結果、多くの貧困層は雨季に雇用機会を失っている。こうした状況を見るにつけ、我々の調査では、貧困層へのトリックル・ダウン効果を確認できなかった。さらに、P村南側に居住する貧困層は、コミラモデル以降の道路拡張計画によって土地を剥奪されてきた。これら貧困層は、BRACやASAの働きかけでショミティを組織化し、社会開発の過程に参加していることが明らかになっている。詳細について、改めて報告したい。
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