研究課題/領域番号 |
17530391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
小林 多寿子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50198793)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,810千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ライフストーリー / 生活記録運動 / リテラシー / 質的研究 / 書く実践 / 文章運動 / 自己表現力 / 個人の歴史性 / 自己の構築 |
研究概要 |
本研究は1950年代に隆盛した生活記録運動という文章運動に焦点を合わせ、生活記録の書き手たちを個人的経験を書く実践をおこなった人たちとしてとらえ、ライフストーリー論からその特徴を把握し生活記録運動の意味をあきらかにすることを目的とした。生活記録運動は、1951年の『山びこ学校』や1952年に中津川で開かれた第一回作文教育全国協議会を契機として戦前の生活綴方運動を受け継ぎながら、大人の生活記録運動への急速に発展し、四日市や東京など各地で若い工場労働者や主婦たちをおもな書き手として広がり、紡績女工員の生活記録などの作品を生み出しながら、60年代に入り急速に退潮していったといわれる文章運動であるが、半世紀を経た現在、新たな社会学的観点から、おもに生活記録運動調査とライフストーリー論の検討という二つの調査研究に取り組んだ。前者の生活記録運動調査では(1)生活記録運動の実態把握、(2)生活記録作品の収集と分析、(3)生活記録の書き手の調査を実施した。とくに当時の生活記録運動関係者へのインタビューによる質的調査を実施して生活記録を書いた人たちの具体的な像をとらえ、50年代60年代の個人的経験を書く実践が醸成した「自己表現力のリテラシー」の意味を現在の時点において語られるライフストーリーのなかで考察した。さらに「自己の経験を読み解き書くリテラシー」の系譜が戦後の文章運動のなかでいかに跡づけられるかを「ふだん記」運動の研究成果も踏まえて検討した。
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