研究課題/領域番号 |
17530424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
坂口 正之 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (70111010)
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研究分担者 |
所 道彦 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (80326272)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 所得保障 / 家族政策 / 公的年金 / イギリス / 社会保障 / 年金 |
研究概要 |
年金および所得保障制度に関する日本および海外の文献を収集・調査、シミュレーションなどの検討を行い、戦後の社会保障制度の前提に置かれてきた家族モデルの見直し・複線的なライフモデルの構築作業が必要となっていることを確認し、家族多様化の時代における社会保障制度改革のための前提となる複数の「家族モデル」をめぐる今後の課題を整理した。主要な点は下記の通りである。 1.現時点でも「男性稼得者・専業主婦モデル」が中心の制度体系である。このモデルは今後も存在するモデルであると考えているが、「共稼ぎモデル」の増加や、離婚の増加によって、老後の生活保障を「世帯単位」で行うことについて限界が生じている。 2.シミュレーション分析(女性の大学卒業後のパターンを8類型で試算)を通じて、ライフプランの選択によって老後の保障に大きな差が出ることが確認された。途中での離婚・離別、正規・非正規労働など雇用の状況や賃金水準などによつてさらに細分化された分析・検討が必要である。 3.文献調査やイギリス現地における聞き取り調査等により、最新のイギリスの年金改革の方向性についての知見を得た。今回の政府による政策提言では、女性の満額年金受給者割合が増加させる、ケアを行うものが公的年金の受給権を適正に形成する機会を確保するなど公的年金の改善の方針が示されているが、その一方で、公的年金の給付水準の低さや職域年金の財政問題について、個人貯蓄や個人年金の誘導によって解決を図るという点に注意する必要がある。 4.ブレア政権による所得保障政策の評価は2分されており、家族多様化と制度との不整合の結果生じた問題、例えば、母子世帯など子どもをめぐる貧困対策についても一定の成果があったことが指摘される一方で、国際比較を通じてイギリスの状況を評価した場合に多くの課題が残っていることが指摘されている。
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