研究概要 |
平成17年度はホームレス自立支援事業として運営されている小規模型支援施設の情報収集と京都市自立支援センターでの聞き取り調査を中心に行った。京都市自立支援センターの調査では、入所者の就労・健康・生活状況、退所後の地域生活など、小規模型自立支援センターの現状と課題を明らかにすることを目的に聞き取り調査を実施した。 平成18年度は滋賀県大津市において野宿生活から居宅生活に移行した64名を対象に聞き取り調査を行い、居宅生活に移った後の生活実態と今後の支援のあり方について探った。調査結果からは、(1)気軽に日常的に集うことができるつながりの場,(2)健康状態や体力に応じた就労の場や生きがいの場,(3)ひとり暮らしに不安のある人々の日常生活支援,(4)健康や老後への不安に対する健康相談・生活相談の取り組みなどが、地域において必要とされていることが明らかとなった。 平成19年度は研究期間の最終年度であり、これまでの研究総括を行うため、小規模型自立支援センターの施設長へのインタビュー調査を実施した。インタビューを行った2つの小規模型自立支援センターでは、その特徴を生かしてきめ細かな支援が試みられているが、その一方で職員体制など継続的な援助を行うための基盤が脆弱な現状が語られていた。また韓国で現地訪問調査を実施し、ソウル市のホームレス自立支援施設などの訪問も行った。
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