研究課題
基盤研究(C)
エイズ教育がHIV対処行動意思とPWH/A(感染者・患者の総称)との共生態度に及ぼす影響過程を同時に検討した研究1の結果、(1)エイズ教育が対応するエイズ知識を増加させること、(2)エイズ知識がHIV対処行動意思に直接影響すること、(3)エイズ知識がエイズの脅威に関わる認知と感情(深刻さ認知、生起確率認知、恐怖感情)を媒介にしてPWH/Aへの態度に影響することが実証された。また、エイズ教育がHIV対処行動意思とPWH/Aとの共生態度に及ぼす影響過程は異なると示唆された。そこで、HIV対処行動に焦点化した研究2では、防護動機理論と集合的防護動機モデルの枠組みを利用して、エイズ教育が理論・モデルの仮定する認知変数を媒介にしてHIV対処行動意思に影響を及ぼすかどうかを検討した。その結果、集合的防護動機モデルの枠組みを利用した場合、HIV対処行動意思に及ぼすエイズ教育の影響過程を、提案した分析モデルは42〜53%説明可能であることが証明された。研究2の3段階分析モデルにエイズ知識を導入して4段階分析モデルとした研究6では、改良した分析モデルはHIV対処行動意思の48〜66%を説明可能であり、規範認知と実行能力認知がHIV対処行動意思を強く規定していることが実証された。PWH/Aとの共生に焦点化した研究3では、4段階のPWH/Aとの共生行動生起過程モデルを提案し、エイズ教育の影響過程を検討した。その結果、分析モデルはPWH/Aとの共生行動意思の51%説明可能であり、責任認知、実行能力認知、報酬認知と並び、PWH/Aに対する共感感情がPWH/Aとの共生行動意思を大きく規定していることが解明された。研究4では既成のエイズ教育用印刷教材の効果を実験的に検討したが、効果は限定的であることが分かった。研究5では実際に行われたエイズキャンペーンの効果を実験的検討し、エイズキャンペーンはPWH/Aとの共生に関する意識の改善に役立つことを指摘した。
すべて 2008 2007 2005
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (15件)
広島大学心理学研究 7
ページ: 53-70
80022559021
ページ: 273-289
80022559027
ページ: 291-310
80022559028
対人社会心理学研究 8(印刷中)
Hiroshima Psychological Research 7
Japanese Journal of Interpersonal and Social Psychology 8 (in press)
広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部 55
ページ: 267-276
広島大学心理学研究 6
ページ: 57-69
Bulletin of the Graduate School of Education, Hiroshima University, Part 3, 55
Hiroshima Psychological Research 6
広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域) 55