研究課題/領域番号 |
17530487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菅野 純 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80195180)
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研究分担者 |
加藤 陽子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (40409701)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,010千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 不登校 / 不登校の予防 / 登校行動 / 開発促進的援助 / 登校行動持続要因 / 精神的充足 / 社会的適応力 / 相談室・保健室登校 |
研究概要 |
本研究の目的は、不登校予防という視点に「登校行動持続要因の解明」という新しい発想を加えて、不登校になった原因ではなく不登校にならずに登校し続けた「登校行動持続要因」について臨床心理学的に分析・検討し、不登校抑止への対策を探索的に探ることにある。そのため、本研究では(1)大学生319名から得た「不登校にならなかった理由」に関する自由記述回答をテキスト型データ解析ソフト「WordMiner [!○R] Version1.01e」(日本電子計算(株))を用いた登校行動持続要因の検討、(2)登校行動持続要因の一部である「精神的充足」「社会的能力」の検討、を行った。その結果以下のことが明らかとなった。 (1)WordMinerによるクラスター分析の結果、登校行動持続要因には「考え方・気持ち」、「友達・友人関係」、「親・親族」、「人間一般」、「勉強・学習」、「関係」、「世間体」、「部活・大会」、「家族・家庭」、「成績・進学・受験」などがあげられていた。(2)それらの結果の中から「社会的ネットワーク」をとりあげ分析を試みた結果、「親族関係」「学校内での人間関係や体験」「教育にまつわる文化」などのミクローマクロの社会的ネットワーク資源がそれぞれ登校持続のための要素として強く自覚されていることが示唆された。さらに、(3)従来むしろ不登校に近い要素と考えられてきた「社会的葛藤」や「学校生活上の克服課題」などの要素にも登校行動持続要因の働きがあり,かつ登校行動持続要因として語られたものの中には<相談><サポート>と同時に<意地要素><他者中心的要素>など、アンビバレントな文脈で用いられていることが明らかとなった。また、(4)保健室登校の子供たちの「精神的充足」や「社会的能力」を測定しワークブックを行うことで、子供たちが寄り自覚的に心を整理したり自己理解を高めること、(5)ワークブックで集団の構造を明らかにすることによって、孤立・いじめ・問題行動のクラスにおける構造を明らかにすることができることが示唆された。
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