研究課題/領域番号 |
17530490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 鎌倉女子大学 (2007) 中京大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
富田 庸子 (2007) 鎌倉女子大学, 児童学部, 講師 (10288102)
古澤 頼雄 (2005-2006) 中京大学, 心理学部, 教授 (00060632)
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研究分担者 |
塚田 みちる 中京大学, 心理学部, 助手 (20410631)
富田 庸子 鎌倉女子大学, 児童学部, 専任講師 (10288102)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,930千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | テリング / 家族機能 / 非血縁家族 / 親子関係理解 / 自己理解 / 養子縁組 / 自分史 / 親子間コミュニケーション / テリング(真実告知) / 親理解 / 発達支援 / Open adoption |
研究概要 |
血縁のない幼い子どもを迎え育てている家族において、育て親が子どもに、生みの親の存在や子どもの出自に関わることがらを伝え続けて子どもの理解を形成する試みを「テリング」とよぶ。本研究では、育て親家族への面接調査などを通して、育て親が子どもの発達に伴いどのようにテリングを行っていくのか、子どもたちがテリングを通じてどのように自己理解や親子関係理解を深めていくのかを把握し、家族機能が生成されるプロセスについて検討した。その結果、(1)育て親は、子どもの発達段階や個性にあわせて工夫しながらテリングを行っていること(2)乳児期のテリングは育て親の自覚を促し、生みの親のことを口に出す練習としての意味を持つこと(3)3歳頃と就学頃にテリングの節目を感じる育て親が多く、その後の進展においては育て親たちのネットワークが重要なサポート資源となり得ることなどが明らかになった。また、子どもの理解の進展においては、個別性を超えた心理発達プロセスとして共通に理解できる点がみられた。すなわち、(1)子どもの発達に伴って、育て親からの一方向的なテリングから育て親-子ども間の双方向的なテリングへと変化すること、(2)弟妹を迎えたり生みの親に会うといった経験が理解深化の機会になること、(3)テリングを嫌がる時期が存在すること、(4)周囲との違いに気づき始めることによって子どもの態度が複雑化すること、などである。また、非血縁親子におけるコミュニケーションのオープン性について国外の研究動向を概観し、子どもが自分史を形成していく上で重要となる親子間の対話やテリングの意義を検討した。親が子どもを個人として尊重し、生涯発達的視点に立って「伝え続け、聞き続ける」ことの重要性が本研究を通じて改めて確認され、多様な家族が実在する社会を見通していく上で有効な示唆を得ることができた。
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