研究課題/領域番号 |
17530514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
今野 義孝 文教大学, 人間科学部, 教授 (70092517)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 動作法 / 回想法 / 快滴な体験 / 懐かしさ出会い療法 / 快適な体験 |
研究概要 |
「懐かしさ」の体験は、身体の内側から広がる温かさの感覚やリラックスの感覚、ゆったりとしたくつろぎの感覚、トランス状態などのもとで、自然にこみ上げてくるものである。このことから、「懐かしさ」の体験を促進するには、リラクセーションや催眠、動作法の快適な心身の体験などが有効であると考えられる。とりわけ、動作法の援助方法の1つとして、今野(1997)によって開発された「とけあう体験の援助」は、リラクセーションや姿勢のコントロールを通して心身の快適な体験や心身の安定をもたらし、自分自身や他者および外界に対してポジティブな感情体験や認知の変化をもたらすことが報告されている。また、自分の内部に潜んでいる様々な自分に対する気づきと再統合、過去体験の中に潜んでいる様々な自分との間の温かいつながりの再発見、自分自身の身体に「内蔵された」体験との出会い、今を生きる新たな生命感の発見、などが示唆されている。 このように、懐かしさとは、それぞれの人の中に息づいている正負の情動体験が融合した過去の心的リアリティであり、ポジティブな感情体験によってアクセスや再処理が可能になるものと考えられる。そして、懐かしさの体験をすることによって、今の自分を肯定的に捉えたり、未来に向かって肯定的なセルフイメージを作り出すことができるようになると思われる。懐かしさの体験にアクセスすることは、過去の出来事や経験に対する肯定的な意味づけを促進し、「いま・ここでの自分」の肯定的な認知や心身の健康の回復につながるものと期待される。本研究では、従来の回想法に動作法を導入した新しい高齢者のための回想法として、「懐かしさ出会い療法」を開発のための基礎的な研究を行った。
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