研究課題/領域番号 |
17530531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
櫻井 研三 東北学院大学, 教養学部, 教授 (40183818)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 実験系心理学 / クロスモーダル / 視覚 / 前庭感覚 |
研究概要 |
本研究では視覚と前庭覚のクロスモーダルな2つの知覚現象を検討した。 第1は視覚と前庭感覚の情報が一致しない場合の自己運動知覚である。自己運動の種類が直進運動あるいは回転運動の場合、前庭系と視覚系に反対方向の運動情報が与えられると、一方の情報に従った運動方向が知覚され、前庭系への情報が優位になるには、一定以上の加速度が必要であることが報告されている。しかし、与えられる運動情報の方向が正反対以外、例えば直交するような組み合わせに関しては明らかではない。我々は、常に加速度を伴う前庭情報と、運動方向が直交する視覚情報を同期させて観察者に呈示し、知覚される自己運動の方向を測定することで、脳はどちらかの情報を排他的に選択するのか、あるいはそれらの情報を統合して自己の運動方向を知覚するのかを検証した。さらに、自己運動の方向をより細かく変化させて、クロスモーダルな情報統合の限界を特定した。 第2は、色彩に随伴した自己運動の残効である。縞パタンの方向に随伴する色彩残効はマッカロー効果として知られており、螺旋パタンの拡大・縮小運動に随伴する色彩残効もその生起が確認されている。しかし、クロスモーダルな随伴残効の存在は確認されていない。そこで、観察者の身体を前後方向に運動させると同時に前進時に赤、後退時に緑という異なる色を視覚的に継続呈示し、色彩随伴性の自己運動の残効が生起するかどうかを検証した。結果として、自己運動の方向と順応時の色彩との一貫した随伴性は認められなかったが、螺旋パタンの拡大か縮小という視覚と前庭覚のクロスモーダルな運動残効の存在は確認された。
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