研究課題/領域番号 |
17530539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
山崎 晃男 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (40243133)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 演奏 / 感情 / 伝達 / 即興 / 打楽器 / プロ音楽家 / 非音楽家 / 音楽的意図 / 図形 / 即興演奏 |
研究概要 |
演奏における音楽的意図について、形式的意図と感情的意図の二つに分類して、それぞれの音楽美学的意味について考察し、音楽心理学的にはその両方の意図を取り上げて検討する必要があると結論づけた。その上で、音楽心理学の領域においてなされた先行研究についてのレビューを行い、本研究についてもその中に位置づけた。 一方、実験的研究として、2名のプロ打楽器奏者に、太鼓の即興演奏によって「喜び、怒り、悲しみ、恐怖、優しさ、厳粛、無感情」という7つの感情を表現するように求める演奏実験と非音楽家にその演奏を提示して感情的意図を判断するよう求める聴取実験を行い、非音楽家を演奏者とする以外はほぼ同一の条件で演奏・聴取実験を行ったYamasaki (2002)の実験結果と比較した。また、プロ打楽器奏者と非音楽家を演奏者として、「喜び、怒り、悲しみ」という主要な3つの感情を3種類の強度で表現するように求める演奏実験を実施し、その演奏を分析、比較した。これらの実験的研究を通じて、以下の結論が得られた。(1)比較的単純な感情については、音のレベルや打間時間といった音響的特徴の使用方法は両演奏者間で大きな違いはない。しかし、感情のより細かい表現を行う場合、プロ打楽器奏者は非音楽家があまり用いない打音強度や打間時間の変動といった音響的特徴をよく用いていた。(2)単純な感情を音レベルや打間時間を用いて表現する際、非音楽家の方がむしろ標準的な表現方法をとっており、プロ打楽器奏者はより個性的な表現方法をとっていた。(3)感情的意図の伝達の正しさについては、プロ打楽器奏者の方が非音楽家よりも優っていたが、その差はそれほど大きなものではなかった。本研究におけるプロ打楽器奏者は、非音楽家とは違って、単に感情的意図の伝達だけではなく、個性的かつ音楽的な演奏を追求していたことが、こうした結果をもたらしたのであろうと考えられた。
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