研究課題/領域番号 |
17530571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
梅村 佳代 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10085318)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,510千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 寺子屋 / 入門帳 / 手習い師匠 / 往来物 / 芸事稽古 / 中村権平寺子屋「栄寿堂」 / 学問書 / 手習い・読書・算盤 / 文字学習文化ネットワーク / 寺子屋「栄寿堂」 / 寺子屋師匠中村権平 / 寺子屋入門帳 / 出石藩藩校「弘道館」 / 兵庫県気多郡伊福学校 / 「学制」期小学校 / 往来物と学問書 / 筆子中 / 年季奉公 / 手習い稽古 / 子どものライフサイクル / 学区取締 / 「学制」期の小学校 / 「学制」期の学習内容 / 文字学習 / 寺入 / 手習師匠 / ライフサイクル / 謡 / 乱舞 |
研究概要 |
三年間の研究成果 この三年間の研究成果は第一に近世民衆教育史研究である寺子屋研究を総括的、理論的に整理して「近世寺子屋論」として近世社会の民衆世界のなかに近世後期より若年層を中心とした知的な学習小グループの結集体として結集され、知識人の学問的結集体と相互に連関していたことを梅村執筆「寺子屋と筆子中」(綾部監修・福田編集『結集・結社の日本史』結社の世界史I)にまとめ成果として発表した。また近世史研究会にて「近世寺子屋の事例と特質-後期〜幕末を事例として-」発表した。 第二に寺子屋に関する史料調査をこの三年間にさらに進展させ、伊賀国名張郡名張本町中村権平師匠の人となりと中村家寺子屋に通う手習い子の学習内容、親が師匠に差し出した束脩・謝儀の実態について三冊の入門帳と往来物、墓石調査などより解明した。師匠の中村権平は名張本町に住む一代限りの士分格を名張藤堂藩から与えられた謡と踊りの師匠でもある人物であり、儒学書を読み、城下町の文人ともいえる。芸事稽古の傍ら読み書きも教えたもので、天保14年から明治6年までの町や村々の子どもを集めて読書・手習い・算盤・謡い・素踊りなど多彩な内容を教えた中村家寺子屋「栄寿堂」の実態が解明でき、『三重県史研究』や全国地方教育史学会にて発表、研究室報『奈良教育史研究』に論文として発表した。 第三に近世後期、紀伊国伊都郡赤塚村の田中家所蔵の子どもの手習い稽古の手本教材である往来物130冊余を調査して目録作成及び写真撮影をおこない、幕末の豪農階層の子どもたちの手習い稽古の実態と教養形成過程を分析を進めた。しかし時間不足により論文としてまとめるには至らなかった。今後の課題としたい。
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