研究課題/領域番号 |
17530573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤村 好美 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50372694)
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研究分担者 |
小池 源吾 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00178170)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 市民 / 市民的教養 / 共同体 / シチズンシップ / シビック・ナショナリズム / 成人教育 / 教養教育 / アメリカ / 教養 / 人格形成 |
研究概要 |
本研究は主体形成としての市民的教養教育の実像を追求する手がかりとして、民主主義が成熟し、戦後日本の教育行政が依拠してきたアメリカ合衆国に焦点をあてた。アメリカでは実利的な職業教育が教育の中核をなしていると、広く常識的理解がされているが、歴史をつぶさに見てみると、一方では人格形成と市民的公共性の追求に重きをおく教養教育も連綿と続いており、アメリカ成人教育の歴史は職業教育と教養教育のせめぎあいの歴史であると捉えることができる。そこで本研究では、「プラグマティズムに基づく実利的な職業教育中心である」という旧来のステレオタイプ的なアメリカ成人教育理解を再検討し、アメリカにおける成人教養教育の展開に焦点をあてた。 しかし、「市民的教養」教育の概念は決して一枚岩ではない。そこでまず基礎的作業として、古代ギリシア・ローマから現代に至るまでの、西洋教育史における教養の内実を整理し、市民的教養概念には、知識、人格、政治的教養(共同体との関係性のなかでの教養)が含まれることを確認した。なお、近年注目されているシチズンシップは三番目の政治的教養を意味するものである。次に、スタブルフィールドとキーンによるAdult Education in the American Experienceの翻訳を通し、アメリカ成人教育の通史を明らかとすると共に、教育哲学の類型化を試みたブラメルドの知見を援用して、アメリカ成人教育史における市民的教養教育の事例を類型化した。 上記の総論をもとに、研究代表者、研究分担者、研究協力者が各論的テーマを設定し、アメリカの成人教養教育を多角的な視点から分析した。その結果、アメリカにおける市民的教養の支柱となるものは、シビック・ナショナリズムであるとの結論に達した。なお、このシビック・ナショナリズムに関しては、更なる追求が必要であることを付記する。
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