研究概要 |
「課題論文(Extended Essay)」、「知識の理論(Theory of Knowledge)」、「Creativity, Action, Service(CAS)」は国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラムのコア(核)となるもので、ディプロマ取得のための3つの要件である。これら3つの要件についての内容と評価方法等を国際バカロレア機構(IBO)が提供している資料及び訪問調査により明らかにした。 IBの特長である3つの要件の評価はそれぞれ下記のようになされている。 ・「課題論文」は、教科での学びと関連したことをテーマにして4,000語以内(日本語の場合は8,000字以内)で書く必要がある。内部評価と外部評価がある。一般評価基準と教科評価基準に基づいて評価される。これらの基準は生徒にも公開されている。 ・「知識の理論」は、指定された10の課題の中から一つを選び、1200語から1600語で書き上げる。 内部評価と外部評価がある。学校での内部評価では、生徒は学習内容のプレゼンテーションを行い教師が評価する。 ・「CAS」は、2年間にわたり、創造性、活動、奉仕のそれぞれについて50時間ずつ(合計150時間)実施する。外部評価はない。学校が認める監督者がパスしたかそれともパスしなかったかという評価。各学校は生徒の成績を地域事務所(日本のIB校はシンガポールにあるIBAP)に送付する。CASの活動と評価については、地域事務所が主な監督責任を果たしている。 報告書は、3つの要件の評価方法を中心にした論文といくつかの資料からなる。資料は、国際バカロレアのプログラムに関する多くの資料のなかから重要なものを取り上げ翻訳した。ディプロマ・プログラムのガイド、APとIBの内容を簡潔にまとめた小冊子、国際バカロレア機構の今後の方向性を決める戦略計画、そしてディプロマ・プログラムの評価プロセスである。
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