研究概要 |
本研究は,社会教育施設職員における同僚からのソーシャル・サポート効果を明らかにするため,平成17年度は主として、社会教育関連施設の実施する「学習プログラム編成の実態と職員間のソーシャルサポートの関連に関する調査」を実施するための理論的検討、調査計画、パイロット調査、及び本調査を実施した。平成18年度は,平成17年度に実施した本調査のデータを分析し,研究成果の発表を行った。本研究によって得られた主な研究成果は,以下の通りである。 (1)全国博物館・公民館職員調査により,本研究の目的とした職員間のソーシャル・サポートの実態が明らかとなった。さらに,その実態を基礎として,社会教育施設職員の同僚からのソーシャル・サポート尺度を構成する項目を析出した。 (2)社会教育施設職員の同僚からのソーシャル・サポートは,当該施設の学習プログラム編成に多大な影響を及ぼすことを検証した。具体的には,産学官連携プログラムの実施の有無や,一般市民を対象とする学習プログラムの可塑性(調整機能)の発現を左右する,強い規定力を有することを明らかにした。 (3)さらに本研究は,社会教育施設職員自身の研修プログラムへの参加の実態や期待を明らかにし,それに対する職員間のソーシャル・サポート効果を明らかにした。職員間のソーシャル・サポートは,職員自身の研修への参加や参加希望の有無も分ける規定要因として働くことを解明した。 以上の研究成果により,本研究は,今後さらに社会教育施設の学習プログラムに影響を及ぼす規定要因としての,職員間のソーシャル・サポート効果を明らかにする研究の端緒を開いたと言えよう。
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