研究課題
基盤研究(C)
近年、学校音楽教育において、特に初等音楽科教育では、身体動作や身体運動が積極的に取り入れられるようになってきている。しかしながら、多くの活動が、子どもたちをゲーム感覚で楽しませたり、その後の音楽学習への動機付けにしたり、感じるままに音楽と自己表現をさせたり、あるいはダンスのようにあらかじめ決まっている動きを音楽に合わせて行ったり、といった経験にとどまっているようである。音楽授業における音楽と動きの活動には、一貫性や系統性か乏しく、一つの活動から次の活動へ、という継続性がないものも多く見受けられる。このような状況を改善するために、本研究では、音楽科教育における身体の動き(身振り・身体動作)の取り入れ方について、子どもの音楽発達に応じたカリキュラムの枠組みを構築し、それを実践に活かしていくための方法を研究することを目的とした。そのために、客観的かつ国際的な視野を得るための比較対象として、日本と共に、イギリスの音楽教育についても調査・研究を行った。日本と英国において音楽教育における身体の動きに関する論文・資料と共に、音楽心理学や音楽美学、身体論、民族音楽の分野における文献を収集し、音楽教育における音楽と身体の関連性の理論的考察を行った。そして、日本とイギリスにおいて、音楽と動きを取り入れた音楽の授業を観察すると共に、初等・中等音楽科を担当するクラス担任、および音楽専科の教師と面接して、彼らの音楽学習における音楽と動きについての考え方を調査した。そして、身体の動きを取り入れた音楽教授・学習の様々なアプローチを分類し、これらと音楽経験の構成要素である、歌う・演奏する・創る・聴く、各活動との関連性を明らかにした。その結果として、音楽教育における身体反応・身体表現の意義を、理論と実践の両面から明らかにすると共に、音楽発達を考慮した系統的なカリキュラム構築の枠組みを構築することができた。
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東京学芸大学紀要、芸術・スポーツ科学系 第58集
ページ: 9-18
Bulletin of Tokyo Gakugei University Arts and Sports Sciences Vol.58
東京学芸大学紀要 芸術・スポーツ科学系 第58集
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Proceedings for the 5th Asia Pacific Symposium on Music Education Research (CD-ROM)
東京学芸大学紀要、芸術・スポーツ科学系 第57集
ページ: 13-21
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Proceedings for the 5th Asia Pacific Symposium on Music Education, CD-Rom
Bulletin of Tokyo Gakugei University Arts and Sports Sciences Vol.57
Proceedings for the 5^<th> Asia Pacific Symposium on Music Education Research (CD-Rom)
東京学芸大学紀要芸術・スポーツ科楽系 第57集