研究概要 |
授業という文脈を重視し, 子ども個人の内面における図形認識の変容に着目することで, 図形概念の認識過程を解明した。前回の科研費の研究成果と合わせて, 平成19年3月に「図形概念に関する認識論的研究-図形指導の原理を求めて-」と題する学位論文を完成させ, 教育学博士の称号をいただいた。また, 研究成果は全国誌である日本数学教育学会数学教育学論究に掲載され, 多くの研究者により参照されることになった。図形指導の原理として設定した4つの原理(個人的図形概念から数学的図形概念への変容, 図形概念のイメージ化から言語化への指導, 図形概念の指導にともなう図形感覚の育成, 理解の様相モデルに基づく図形概念の認識過程の規範化)は, 図形概念に関する認識論的研究から生み出した原理であり, 「質的研究」により図形授業過程を精緻化するための指針ともなる原理である。
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