研究分担者 |
大渕 朗 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10211111)
今野 一宏 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10186869)
徳永 浩雄 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30211395)
高田 敏恵 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (40253398)
小島 秀雄 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (90332824)
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研究概要 |
VがP^2の曲線の時と,Vの|D|による埋め込みの余次元が1のときは,すでに一通りの研究成果はあるので,当該研究では,[1]Vが曲面,特にabelian surfaceのとき,[2]平面曲線だが,特異点を持つ有理曲線のときに研究を行い,更に[3]平面曲線がガロワ点を持つとき,そのガロワ群の元が射影平面の双有理変換に拡張されるかどうかを考察した。その後abelian surfaceの埋め込みの研究を更に深めた[4]。これらの成果の概要は以下の通りである。[1]ではabelian surfaceがガロワ埋め込みをもつとき,そのガロワ群を完全に決定した。その結果とくにガロワ埋め込みを持つabelian surfaceはelliptic curveの直積と同種であることなど判明した。[2]では特異点のある有理曲線について,ガロワ点とそのガロワ群の考察を行った。これまでほとんど非特異の考察のみ行われてきたのであるが,現れる群が巡回群のみでなく,いろいろな群,二面体群,4次,5次の交代群や4次対称群も現れることが判明した。[3]では,非特異曲線がガロワ点をもつとき,その群の元は射影変換に拡張されるが,特異点をもつ曲線のときは射影変換のみならず,双有理変換にすら拡張されないこと,またどのような曲線の場合に拡張されるか究明した。[4]では,abelian surfaceが射影空間P^nに埋め込まれるときの最小のnは4であることは知られているが,ガロワ埋め込みのときの最小値は7であることを明らかにした。これらの研究により体論と幾何学が一層密接になり,新たな見地からの多様体の性質も発見されている。上記研究により一応の方向が示されたが,これからの研究課題は多く今後の発展が期待される。
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