研究概要 |
1.射影平面におけるhyperovalからは2元体上の高次元双対超卵形(以下DHOと表す)が得られる。今回Translationとは限らないMonomial o-polynomialから定まるhyperovalから得られるDHOについて、同型類および自己同型群を決定した。 2.偶数位数の有限体上定義された、ベクトル空間Vと体の自己同型により定まるd-次元DHO(いわゆるTaniguchi's DHO)について、生成空間(Ambient Space)の次元が2d+1次元のときにその同型類を決定した。(一般の偶数位数の有限体上定義されたDHOの同型類の決定は初めてであると思われる。) 3.2元体上のd(d+3)/2-次元射影空間を生成空間とするDHOは、Huybrechts's DHO、Veronesean DHO、Buratti and Del Fra's DHOが知られていた。今回Huybrechs's DHOからBuratti and Del Fra's DHOを構成するのと同じような方法で、Veronesean DHOから新しいDHOが構成出来ることを発見した。また、その自己同型群を決定した。 4.2元体上の生成空間の次元の最大値であると考えられているd(d+3)/2次元射影空間を生成空間とするd次元DHO(現在4種類発見されている)のうち、Huybrechs's DHOおよびBuratti and Del Fra's DHOを、DHOの要素であるd+1次元ベクトル空間における和の形から特徴づけた。 5.生成空間の次元が最小である2d次元射影空間を生成空間とするd次元DHOの研究について、2元体上の2d-次元射影空間を生成空間とするDHOが,標数2のkernelをもつ移行平面(translation planes)から構成されることを見いだした。特に,今まで知られていたYoshiara's DHOが標数2のデザルグ的射影平面から構成されることを見いだし,さらに概体(Near field)から構成されるDHOはYoshiara's DHOと同型にはならないことを証明した。また概体が同型でなければ概体から構成されるDHOが同型でないこと,および準体(Semifield)においては,そのMiddle Nucleus(中間核)の0以外の元のなす群が同型でなければ準体から構成されるDHOが同型でないことを証明した。
|