研究課題/領域番号 |
17540057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 耕二 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60229078)
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研究分担者 |
塩谷 隆 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (90235507)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | JSJ分解 / 3次元多様体 / グラフ分解 / 漸近次元 / カーブグラフ / 擬準同型 / 双曲群 / 交換子距離 / 格子部分群 / 有界生成性 |
研究概要 |
数年前からの研究の最終結果として、Panos Papasogluとの共同研究として有限表示群の「JSJ分解」について決定的な結果を得て、その論文が出版された。JSJ分解の名前の由来は、コンパクトで素な3次元多様体Mを埋め込まれたトーラスと円筒で分解(=切断)することを考えるとき、それがある意味で一意的になされることを発見したJaco-Shalen-Johannsonによる仕事である。ファン・カンペンの定理によれば、Mのそのような分解は、Mの基本群Gのトーラスと円筒に対応する部分群(Z, Z+Z)に関する「グラフ分解」を導く。3次元多様体論のほかの成果を合わせると、GのZ, Z+Zに同型な部分群についての任意のグラフ分解は、このグラフ分解から得られることも分かる。その意味で、このグラフ分解はユニバーサルである。3次元多様体論において、JSJ分解は基本的な存在である。一例として、コンパクト3次元多様体に関するサーストンの「幾何化予想」は、JSJ分解の存在を基にしている。 今から10年くらい前、Rips-Selaは、一般の有限表示群Gと、Zに同型な部分群について、上で述べたような意味でユニバーサルなグラフ分解が一意的に存在することを示し、GのJSJ分解と呼んだ。今回の共同研究では、Zに同型な部分群に限られていたRips-SelaによるJSJ分解を、「スレンダー」な部分群にまで拡張した。ただし、スレンダーな群とは、その任意の部分群が有限生成な群のことである。たとえば、有限生成なアーベル群やベキ零群はすべてスレンダーであるが、ランクが2以上の自由群はスレンダーではなし。ここでは主結果を次のように述べておく。 定理「任意の有限表示群について、そのスレンダーな部分群に関するJSJ分解が一意的に存在する」。
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