研究分担者 |
田中 直樹 静岡大学, 理学部, 教授 (00207119)
中本 律男 茨城大学, 工学部, 教授 (80007799)
西尾 克義 茨城大学, 工学部, 准教授 (40001698)
平澤 剛 茨城大学, 工学部, 准教授 (10434002)
榊原 暢久 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (30235139)
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配分額 *注記 |
3,730千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
1.連続関数の空間において偏微分方程式に対する初期・境界値問題を考えるとき,方程式から自然に定まる作用素は境界条件の影響により,非稠密な定義域をもつ可能性がある。この事実を動機として,我々は共通の定義域が元のバナッハ空間で必ずしも稠密とは限らないような閉線形作用素の族に支配される発展方程式の初期値問題を研究した。有限差分近似の立場から導入された安定性条件のもとで,このような作用素の族によって発展作用素が生成されることを示した。 2.我々は強減衰項をもつ準線形波動方程式の抽象化である半線形発展方程式の1つのクラスに対する大域可解性について論じた。我々の定式化の利点は,低階微分に関するいくつかのエネルギー不等式を確かめるだけで大域解を得ることができるという事実にある。 3.我々は半形発展方程式に対するコーシー問題の軟解を与える局所リプシッツ作用素半群の概念を導入し,そのような局所リプシッツ半群の特徴付けを行った。この半群の概念は,解作用素が,初期値について局所的な意味でも準縮小的でなく,局所的にリプシッツ連続になるような微分方程式に対する初期・境界値問題の適切性の概念から得られる。 4.距離に似た汎関数により表現される新たな消散条件を提案し,非線形発展方程式に対するコーシー問題の軟解を与える局所リプシッツ作用素半群が存在するための必要十分条件を与えた。空間のノルムから誘導される距離の代わりに,距離に似た汎関数の族を利用する利点は,得られた結果がいくつかの非線形双曲系に応用できるという事実にある。
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