研究分担者 |
増本 誠 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50173761)
栗山 憲 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10116717)
柳原 宏 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (30200538)
本間 正明 神奈川大学, 工学部, 教授 (80145523)
大渕 朗 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10211111)
|
研究概要 |
閉リーマン面の研究における中心的課題のひとつである,その上の有理型函数の存在性および等角不変量を介してのリーマン面の分類問題を研究する. (1)Cを種数gの閉リーマン面とする.このとき,Cを射影直線P^1に写像する最小次数をCのgonalityといって,gon(C)とあらわす.これは,等角不変量であって,2【less than or equal】gon(C)【less than or equal】[(g+3)/2]をみたす.一方,Cを射影平面P^2に双有理的に写像する最小次数をs_2(C)(名称は未定)とあらわすとき,不等式(3+√<8g+1>)/2【less than or equal】s_2(C)【less than or equal】g+2をみたしているが,gon(C)と密接な関係がある.実際,gon(C)=2であれば,s_2(C)=g+2であり,逆も成り立つ.また,g【greater than or equal】6の場合にはs_2(C)=g+1であることとCが楕円曲線の2葉の被覆であることが同値である.本研究では,殆どの種数では,s_2(C)=gにはならないことを示した.さらに,gon(C)=4の場合,もっとも複雑と考えられる,scrollar不変量が(4,1,1)の場合についてs_2(C)を求め,さらに,そのようなCの性質を詳細に研究した. (2)誤り訂正符号理論のうちの代数幾何符号に関連した研究を行った.与えられた(Hamming)距離dに対して符号長nの最大値を求めることは符号理論の基本的な問題の1つであるが,本研究においては,次元κ=6の場合に,ある範囲のdに対してその最大値を求めることができた.その値は一般的な限界(Griesmer限界)より1だけ小さいものである。さらにWeierstrass点の一つの一般化として,閉リーマン面上のn個の点による,Weierstrass n-tupleというものが定義されるが,その真空隙(pure gap)を用いることによって,Goppa符号の最小距離の評価を求めた.
|