研究分担者 |
GIGA Yoshikazu The University of Tokyo, Graduate School of Mathematical Science, Professor
MAHALOV Alex Arizona State University, Department of Mathematics, Professor
SAAL Jurgen Hokkaido Information University, Department of Mathematics and Statistics, Doctor
INUI Katsuya Hokkaido Information University, Faculty of Science and Technology, Doctor
|
配分額 *注記 |
3,830千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
研究概要 |
コリオリカを伴うNavier-Stokes方程式の解の存在とその特異摂動による挙動を,全空間・半空間・Poincare領域で解析を行った: 1.3次元初期値問題の時間局所解を与えた.なお初期値として有界でsolenoidalなベクトル場のあるクラスに与えたときにはコリオリカに対して存在時間は非一様である(Y.Giga, K. Inui, A. Mahalovとの共同研究). 2.3次元初期値問題の初期値が原点で値を持たない有界Radon速度のFourier逆像を与えた場合は,解の存在時間はコリオリカに対し一様にとれる(Y.Giga, K. Inui, A. Mahalovとの共同研究) 3.3次元半空間での初期境界値問題に対して,解の時間局所的な解の存在をEkman境界層解を中心として与えた.初期値は接線方向成分は空間無限遠方で減衰しない接線方向成分を持ち,法線方向成分はp乗可積分な速度とEkman境界層解の和で与えた(Y. Giga, K. Inui, A. Mahalov, J. Saalとの共同研究). 4.Coriolis力の項をもつ3次元定常Navier-Stokes問題をPoincareの不等式が成立する所謂Poincare領域で考えた場合,おおむね解(速度場)の一意性は成立しない.しかしCoriolis力の大きさ(角速度/2)を無限に漸近させると,ある回転軸(垂直)の方向には依存しないベクトル場(「特異摂動場」とよぶ)に収束する.これは気象学ではテイラー・プラウドマンの定理とよばれ,この厳密な証明を与えたことになる.なお収束はH^2での強収束であり,解の垂直方向微分のL^2ノルムは,Coriolis力の大きさの-1乗のオーダーで0に収束する.さらに領域が単純な場合は,速度場の垂直方向の平均が「特異摂動場」に収束することも分かり,Coriolis力が大きい場合の速度場の様相は垂直方向の平均と考えてかまわないという気象学の常識を裏付けたことになろう. (K.Inui,A.Mahalovとの共同研究)
|