研究課題/領域番号 |
17540255
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
淺川 正之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50283453)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 高エネルギー原子核衝突 / 有限温度場の理論 / 磁気不安定性 / 相転移 / 粘性係数 / 量子色力学 / 高エネルギー重イオン衝突 / カイラル対称性 / スクイズド状態 / ユニバーサリティー |
研究概要 |
1 RHICにおいては、経験的に完全流体を仮定した流体計算、つまり粘性係数をゼロとおく近似を用いた流体計算によって観測量をよく説明できることが知られている。この事実は、クォークグルーオンプラズマは、強い相互作用の漸近自由性により弱く相互作用している系であるという期待に反する。また、RHICにおける異常に早い熱平衡への接近を説明するために、色磁場の不安定性がその機構として提案されてきた。我々は、この一見相反する二つの描像をつなぐ理論として、この色磁場による異常輸送機構により生ずる異常粘性が粒子間の衝突に起因する通常の粘性よりも卓越するために、弱結合でありながら粘性が完全流体的になることを提唱した。そして、通常は、流体のずれの大きさに対して一定値を取る粘性が、色磁場の大きさとメモリー時間を通じてずれに非線形的に依存するためにずれの大きさに対して一定値を取らず、ずれが増大するにつれて減少するという非ニュートン的振る舞いをすることを見出した 2 さらに、熱平衡状態におけるずれ粘性および体積粘性は、最近2つのグループにより、格子ゲージ理論を用いてゲージ場のエネルギー運動量テンソルのスペクトル関数の原点における傾きを求めることによって測定が行われたが、そのスペクトル関数の関数形が知られていないことや虚時間量から実時間量への解析接続の困難から、その値には未だに不定性があり、QCDにおけるそれらの値がAdS/CFT対応における強結合極限で期待される値に近いのかどうかという問題には決着がついていない。この問題を回避するため、我々は虚時間格子上で相関関数を計算することなしに直接粘性を計算する方法を考案し、その方法を実際の格子QGD計算に適用するための基礎研究を行った。
|