研究課題/領域番号 |
17540268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
前田 恵一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70199610)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 宇宙論 / ブレイン重力 / ダークエネルギー / 素粒子統一理論 / 一般相対論 / 宇宙定数 / ブラックホール / インフレーション |
研究概要 |
素粒子統一理論に基づいた新しい重力概念を与える「ブレイン」は、宇宙論においても新しいパラダイムに導くのではと期待され、近年盛んに研究されている。本研究では、ブレイン宇宙論において何が本質的に重要で、何を明らかにすることで新しいパラダイムになりうるのかといった課題に取り組むため、宇宙論における基礎的諸問題に焦点を絞り、系統的な解析を行った。特に、ブレインを考えに入れた新しい重力理論を考察することにより、ダークエネルギー、宇宙項問題、宇宙創生、宇宙の初期特異点など宇宙論の最重要課題について考察した。具体的には、以下のテーマに関する研究を行った。 (1)ブレイン衝突など従来とは異なる背景時空における初期宇宙の進化の研究 (2)超弦理論を基礎にしたインフレーションの可能性の探求 (3)超弦理論を基礎にしたブラックホール解の構成 (1)のブレイン衝突に関しては新たに自己重力を考慮し、数値的に解析を行った。重力の影響で衝突したブレインは不安定となり、特異点形成を伴うことを示した。また、フェルミ粒子がブレインに拘束されることを考慮に入れ、ブレイン衝突による粒子生成(物質の起源)の可能性を指摘した。(2)に関してはKKLMMTなどのポテンシャルタイプのブレインインフレーションモデル以外に、曲率高次補正項によっても十分のインフレーションが得られることを示した。しかしながら初期値の微調整が必要で、リッチ曲率を含めた有効作用のより詳細な解析の必要性を指摘した。(3)に関しては、従来用いられているBPS方程式を解く方法を一般化し、ブラックホール解の新しい解法を与え、新しいブラックホール解(Caged black hole解)を構成した。
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