研究課題/領域番号 |
17540275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
梶野 敏貴 国立天文台, 理論研究部, 准教授 (20169444)
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研究分担者 |
青木 和光 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (20321581)
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,630千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 宇宙物理 / 原子核 / ニュートリノ / 超新星 / 元素合成 |
研究概要 |
超新星ニュートリノ過程で合成される元素組成比Li7/B11、Li7/La138、Lal138/Ta180等が示す混合角θ_<13>と質量階層Δm_<13>^2への依存性から振動パラメータを決定する方法論の確立を試みた。 (1)軽元素から重元素までの超新星ニュートリノ過程の影響を最も強く受ける元素群、リチウム(Li7)、ボロン(B11)、ランタノイド(La138)、およびタンタル(Ta180)の合成量の観測値に刻まれている銀河の化学進化の影響、即ちメタリシティー依存性の理論解析から、μ型ニュートリノとτ型ニュートリノおよびこれらの反ニュートリノのエネルギー分布の温度を強く制限する方法を確立した。Rプロセス元素量の再現性から規定される電子型ニュートリノおよび反電子型ニュートリノの温度と合わせて、元素量から全てのフレーバーのニュートリノの温度を制限できる可能性が明らかにされた。 (2)ハミルトニアンの不定性によるニュートリノ・原子核反応断面積の違いは、元素組成比Li7/B11では打ち消し合って、ハミルトニアン依存性が著しく小さく押さえられることが明らかにされた。 (3)我々が提案する超新星ニュートリノ過程元素を用いるニュートリノ振動パラメータの決定方法は、順質量階層の場合には、元素組成比の変化が10^<-4><sin^2(2θ_<13>)<10^<-2>で最も大きくなることから、世界中で現在計画されているロングベースラインによるミューニュートリノ発現/消失素粒子実験がその決定を目指すパラメータ領域10^<-2><sin^2(2θ_<13>)<10^<-1>と相補的な方法になっていることが明らかになった。 質量を決定するためには、3世代全て関わる宇宙ニュートリノの研究を同時に進める必要がある。宇宙背景放射揺らぎ、ポラリゼーション、宇宙大規模構造形成等の詳細な理論研究を行った。統一的なニュートリノ振動パラメータを用いて、ビッグバン元素合成、宇宙背景放射揺らぎ、宇宙大規模構造形成、超新星元素合成に関する観測的制限を整合的に満たすことができるかどうかを明らかにすることは、今後の課題である。
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